おれと洒落怖

なんとなく哲学ニュースにまとめられた怖い話を読んでるんだけど、「洒落怖」よりも「ほんのりと怖い話」というのがぞくぞくして良くて、多分それは短さかなと思った。

霊がいるいないはさておき、本当にあったこととして書いてる投稿者としては、やっぱり信じてもらいたいだろうし、怖がってもらたいはずだ。だからリアリティを持たせるために、突然「こらあ、貴様何しとんじゃ!」と激昂する爺婆たちのセリフをまるでインタビュアーのように一言一句余さずつぶさに書いてしまうし、もう何年も前の話だったはずなのにやけにしっかりとしたディテールで書いてしまう。その結果、長文になる。投稿者が嘘書いているとは思わない。見間違いだったけど、その瞬間は確かに人に見えたことぐらいならおれにだってあるのだ。けれどその瞬間を尊重するあまりに、過剰な文章になってしまってぞくぞくしなかったり「あー、このパターンね」となってしまう。だって自分が何をするつもりでもなかったことでいきなり怒鳴られたのに、相手の言ってることを正確に把握するなんておれにはできないし、恐怖体験をしたその瞬間を覚えているのは分かるけどなんでもないその前段階を細かく覚えていることもちょっとできないから。

要するに突っ込みどころが増えてしまうことが興ざめの原因だと思う。普通、物語を作るときに設定は凝るに越したことはないと思うけれど、こと、実話だったりムードが大切なタイプの話では一概にそうとも言えないのかなーなんて思う。

よくできた怖い話で、このなんとなく科学的、どんとこい超常現象的に説明がつきそうな部分だけは本当であとは全部他の人の話とかを混ぜて膨らませたんだろうなって思うのもある。それに限らず殿堂入りしているような怖い話とかは、多分その道のプロ級が書いているのだ。YouTubeニコニコ動画でプロ並みの演奏や映像をアップしている人がいるのだから、テキストでもそういう人がいるのは不思議じゃない。

そしたら急に「電車男」を思い出して、あーあれもそうなんだろうなーって飛躍。

ドッピオ怖い

人ってまあどんなに虫が苦手な人でもアリの一匹ぐらいだと平気だと思うんですけど、いや一匹たりとも許しはしねえ。すげえ怖い。こんなに怖いものは食べてしまおう。むしゃ虫ゃ。おい、見てみろ。野郎、怖い、怖いってアリを食ってやがる! なにー! アリにはギ酸が含まれていて、これが肌に触れると激痛、目に入ると失明、慢性的に摂取すると肝機能に障害をもたらすおそれがあるが、モカ豆の浅煎り・中煎りにもギ酸が含まれているから、それがあいつの味蕾を刺激したのかもしれねえな。なるほどねー。ここらで一杯、熱いエスプレッソが怖い。


終えてしまった。違うんです。エスプレッソは深煎りです! いや、そうじゃなくて。やり直させてください。まあ察しのいい人はもう気づいてるかもしれないんですけど、いっぱいいるとなると話は変わってくるぞ? っていうことあるじゃないですか。亡命とかホームステイとかニートとか1人だからなんとかしてやるが、100人は無理みたいな。バルタン星人も20億3千万人いたから人類と共存できなかったわけじゃないですか。態度や仕草やしゃべり方で、配慮の行き届かない部分がすげーあったら、はやくころすしかないじゃないですか。1人殺せば犯罪者だが、100万人殺せば英雄じゃないですか。全員殺せば神じゃないですか。あっ、これはいってることが逆ですね。不都合なので次の段落にいこう。


500字以上書いておいて、まるで話がすすんでない。ハンターハンターか。次会うときはお医者さんだね! オメーそれは最短でも4年会わねーってことか? 読者が再び彼を観たのは10年後でした……。あの野郎、結局、休載しやがって。だいたい普段から身体を動かしてるから、いざ椅子に座ってじっとマンガを描くなるとこうなるんだ!! 脱線やめろ。いやほんとのこというと、インターネットってそういうのを加速させませんか? ってこと。


いきなり加速の話をして、話を加速させただと!? いやね、たとえ嫌なことでも熟年離婚ぐらいまで耐えれたことが、インターネットでたまたまいーっぱいそういう場合に出くわして、「いい加減、力不足と役不足の使い方、覚えようよ!」とか「うあ、またよく分かってないのに通ぶった発言!」とかに過敏になるというかアレルギーしちゃうと思うんです。うちの弟はインターネットで「何かをやる+だ」系の言葉をよく見かけて、嫌いになったそうです。うーん、好き嫌いはよくないぞ。なんとかしなきゃだ!


で、まあ「友達がたまたまそういうことをいう人だった」ら、友達補正でそんなにいらいらしないかもしれない。というか耐えられないほどする人だったら友達やめてる。だけど、意思疎通ができるのはだいたい友達以上からなわけで、「漠然と存在するこういうことをする系の人たち」には届かないし、やめてもらえない。そもそも自分の怒りとは「『漠然と存在するこういうことをする系の人たち』の存在」みたいな、なんだかよくわからないものに向けられてるから、誰かに何をされてるわけじゃないのに怒りはそこにあるっていう哲学に突入して、うぎゃぁーちょっと休憩!


そこで差し出されるのが熱いエスプレッソってわけ。

おれと人喰いの大鷲トリコ

人喰いの大鷲トリコというゲームをやっとクリアしました。

子どもの頃は、新しいゲーム買ったらいち早く家に帰りたい、授業も行儀よく真面目なんてできやしなかった、夜の校舎窓ガラス壊して回ったぼくも最近はゲームの集中力がない。買ったはいいけど積んでることも多かったのです。しかしこれはハマった! トリコという羽の生えた犬のような猫のような怪物と一緒に、壁を登ったり穴をくぐったり水に潜ったり、飛んだり跳ねたり、ときには命令したりするのです。

このトリコがほんとにかわいい。ペットを飼った経験はないのだけど、リアルな動物って感じがするし、微妙にいうことを聞かないところが成功したときに「よーしよし! そう、そうだよ、トリコ!」と逆に褒めたくなります。

難点といえば、基本的には謎解きと言う意味でのパズルゲームに当たるんだろうけど、だいたい5種類ぐらいの行動を手当たり次第に試せばクリアできてしまうという単調さ。あとはトリコが言うことを聞かないときとやり方が間違ってるときの区別がつきにくいところでしょうか。特に後者はイライラすることもあるかもしれません。

しかし! そこを差っ引いてもトリコがかわいい! 動物を飼ってる人にはオススメだと思います! ぜひ!

トリコだけに虜になっちゃ(日記はここで途切れている)

おれと酒と睡眠導入剤

お酒を飲みながら、睡眠導入剤を飲むと危険だよって話です。

最近というかおとついから、ぼくが寝る前にやってるのが、「ダックルコーク」というカクテルを一杯やりながら落語を聞いて眠るというやつで、そもそもダックルコークとはなんぞやといいますと、これは良い塩梅のグラス三分の一程に氷を入れ、それが埋まる程度に梅酒を注ぐ、残った部分にコーラを入れるという、ようは梅酒のコーラ割りなのですが、これで、ベビースターラーメンをちびちび食う。そして睡眠導入剤も飲む。落語を流す。あー、眠くなってきたあ。で、眠る。落語のサゲの方はあんまり覚えていない。つうことをやっておりました。

でもそれって結構やばいと聞いて、そういえば談志も枝雀も志ん生も亡くなってらあ、落語ってやばいんだなあうあこないだうっかりお後がどうたらとか言っちまったやっちまった太陽をつかんでしまったと、もうすっかりガクブル危険ハーブ、ダメ絶対。OK、コンピューター。

と、宣言するまでもなく、ちょうど無くなったんだよね。梅酒が。この梅酒は先日の第一食堂バーベキューにて買って頂いたやつで、何しろおれはルービーがのーめー、なーいー。だから飲めるやつといえばカオシレーターとかスクリューパイルドライバーとかカクテルか、梅酒になるわけなんだけど、こういうときはあれなんですね。ウメッシュを買ってきてくれといえばいいのですね。梅酒を……。というと、どーんとさらりとしたやつが出てくる。どーんとさらりとしたやつが出てくるっていう表現に理路整然かつ整合性のとれた論理的合理的思考の塊の所謂、OK、コンピューターであるところの私は、何を抜かしてけつかんねん! 生粋の東京都民であるにも関わらず関西弁で怒髪天をつきかねず、まことに遺憾の意を表明せざるを得ない。

ええとなんろはらしをしてたのれしてっけ、ああそうれした、いしきをはっきりもつためには、お酒が梅酒が飲んで、ええっと、そう。梅酒っていうと、どーんと出てしまうんですね。ビールが飲めない軟弱野郎であるところの私はお酒も弱いわけで、そうすると、どーんとしたさらりとしたやつもバーベキューの短時間では飲めない。そうなると持って帰ることになって、ダックルコークを作ってナイトキャップで寝酒でおれがゆうこでゆうこがおれで地球がやばい。

ということで、今後、わたしは「お酒何かほしいものありますか?」と聞かれたら、ウメッシュ! と答えれば良いわけで、ラケットを用いるインドアスポーツは? と聞かれたら、スカッシュ! と答えれば良いわけで、聖闘士星矢の第21話初登場した敵を羽交い絞めにして空高くにジャンプしてきりもみ状に回転しながら頭から落下させる技は? と聞かれたら、もうみなさんおなじみなので答えるまでもないですよね。

さようなら。

おれと亀

 何もやることがないので、ポケットに手を突っ込んで歩いていた。へどもど歩いていた。気がつけば海岸。波が常に穏やかで、サーファーもいない静かな海である。特にマリンスポーツとか釣りとかしないから、普段海に興味があるわけではないが、このちゃーんちゃぷちゃぷとした雰囲気つうか佇まいつうか、なんかいいよね。ぼくもわたしも詩人になっちゃうよね。うーん、一句ひねろうかな。なんて思ってるとなんかうるさい。小うるさいというか子うるさい。思春期未満特有のきゃいきゃいとした蛍光イエローな子どもの声である。空き缶でも蹴り合いながら、サッカーの真似事をしている。
 ああ、自分もあのぐらいの歳にはなにか輝くものがあったような気がする。無邪気にきんきらきんのぴっかぴかだった気がする。うう。眩しいねえ。どれ、おじさんにその眩しい可能性の塊を見せておくれようう。不審者に思われないように、なるべくそろそろと近寄ってみると、おじさんドン引き。彼らは20から30センチぐらいの亀を蹴っ飛ばしながら遊んでいやがる。
 マジか。LINEだ、Twitterだ、リベンジポルノだっつー時代にお前らは亀をいじめて遊んでいるのか。時代錯誤もいい加減にしろ。おまえら、昔話を読んだこと無いのか。あのなあ、亀をいじめるとなあ、あとでひどい目に……。あわない。子どもは別に亀から何の制裁も受けてなかった。むしろ、助けたおじさんの太郎さんが、ちょっとお時間延長してたせいで友達も家族もいなくなってジジイになって、鶴になって彼方に飛び去るだけだ。むしろここで亀を助けてしまうと、おれが浦島の某である。まー別に人生詰んでるからいっか。実際、目の前で、亀サッカーされると気分が悪いものである。クソガキが。
 おれは声掛け以上の案件になることを覚悟で、むしろ万一、子どもたちが逆上することも考えて、枝振りの良い流木をぶんぶんしてながら「こら、ボケェ。亀サッカーやめろや」と言った。途端、しんとなる子どもたち。あ、これ一歩間違えるとやばい感じですね。だいたいがして、おれなんか身長が中学生ぐらいしかないのである。実戦になったら、本当に負けてしまうかも知らん。中途半端に威嚇するのが一番危険だ。もう気の触れた人間を演じよう。「てめえら見てるとムカつくんじゃ、殺すぞ」こういうときって一番強そうなやつを潰せばいいんだっけ? 漫画でなんかそういうことを読んだ気がする。つーか小学生相手に、一番強そうなやつって。なんだ、その情けない感じは。まあこいつがリーダーっぽいなって奴をとりあえず睨みつけて、「わああああああああ」当てないつもりで流木を振るう。子どもビビってやんの。まだまだ嘴が黄色いね。散り散りに逃げてく。うお、マジに亀助けちまったぜコレ。
 で、亀がおれに「おありがとうございます。お礼に龍宮城に」って喋ったか喋らないかは明日の朝刊を御覧ください。1面には載ってないと思う。

お茶を濁す

ないないない。もうストックがない。なにってば日記のストック。4年前の日記を引きずり出してきてようやく1週間ぶりの更新をしました。調子に乗って、何日分も連続で載っけるんじゃなかったよ〜〜とほほ〜〜。

なんかはてなブログのアプリがあって、それを入れると簡単なものだけどアクセスがわかる。それによると今月はもう述べ110人ぐらい見てくれてる。この人たちが1人100円くれたらもう1万円なのか……。つーか1人でも1億円くれたらもう働かなくていいのか。えっ、それってすごくない? 110人からお金もらうのは大変だけど、1人ならその80分の1で済む! これは凄いことですよ、教授! 大発見です! ノーベル経済学賞間違いなしです!

うーん、しかし今日は疲れた! 普段だったらここから超絶面白い話を延々と永遠に続けられるけれど、疲れてるから無理だ。いやー残念だなぁ〜〜疲れてなかったらなぁ〜〜。あっ、ひとつ言っておくと素焼きのアーモンドと梅こんぶは思いの外、合うってこと。ではさよなら。

ぼうけんのしょ

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響キアリー
 迂闊にもそう発してしまった時点で、ぼくがドラクエ派であることがクラス中に知れ渡ってしまった。父親の影響で始めたドラクエでRPGというものを知り、そのせいでFFは好きではなかった。それを必死に隠して来たのに、しくじった。
 国語の授業が終わったあと、クラスのリーダー格がぼくを呼び出した。
「お前がそっち側だったとはな。残念だがこのクラスにドラクエ派はいらないんだ」
 覚悟はしていたがこれは死刑宣告に近いものだった。ぼくたちのクラスはスタイリッシュで深みのあるシナリオのFFを愛する一派が幅を利かせていた。振るう箒はメタルキングの剣や破邪の剣ではなく、あくまでもグングニルエクスカリバーだった。愛すべきモンスターはスライムではなくチョコボ。魔法と言えば……やれやれ。もう止そう。つまりドラクエとその愛好者は抹殺されていたのだ。
 その日からぼくの小学校生活は悲惨なものになった。上履きは隠され、給食にうまのふんを入れられ、机の上には菊の入った壺が置かれた。みんなはぼくを無視をするか、さもなくばバイキンのように扱った。子どもが純粋な生き物だという言葉はある意味で当たっている。彼らは純粋な目で異端を見分け排除しようとしているのだ。
 そんな地獄がもう一ヶ月も続いただろうか。ぼくは辛うじて毎日学校に通っていた。こんな状況であっても優しくしてくれる女の子がいたからだ。クラスで一番可愛くて勉強も出来るあの子。誰もがぼくを無視する状況にあっても彼女だけは笑いかけてくれた。天使だった。シンシアだった。毎日を彼女に会うためだけに捧げていた。
 しかし、それも長くは続かなかった。二ヶ月が経とうとしたとき、ぼくの心は折れてしまった。放課後、彼女がぼくの悪口を言っているのを聞いてしまったのだ。
「あいつさぁ、ちょっと話しかけてやったら調子のって。毎日あたしんとこ来てマジウザいんだけど」
 目の前が真っ暗になった。そっとその場を離れた。もう、だめだ。
 もはやぼくがこの世界にいる理由は無くなった。ノートの切れ端に短く、両親へ不孝を詫びる文章を書いた。屋上に立って、それをそっと足元へ置いた。もしも、FFやドラクエのようにリセットすることが出来たらなぁ。くだらない後悔を終えて、あとは跳ぶだけ。さらば。えい。
 想像よりも短い落下の果てにとても乾いた音がしてぼくは意識を失った。が、それも長くは続かなかった。あげく、目を覚ますと、中世の王様のような格好をしている父親がニヤニヤしてこう言うのだ。
「おお、むすこよ。しんでしまうとは なさけない」