おれと短めの誤字

漢字が間違っていたり、慣用句の使い方がおかしかったりすると、お前らゆるせねえ、一族郎党血祭りに上げてやるるるるる! となるが、最近のおれはもう日本語が乱れているというか正しく単語を打つことが少ない。というのも、全てはiPhoneフリック入力がいけない。なぜかおれがなるほどと打とうとすると、「なるそど」となったり「なるろも」となったりする。なるそどはまあまだりあいしてとらえるとおもっているが、なるろもになると萌えなんのことがわかってもらえないと思う、って、途中からめっちゃ誤字ってる!!! 短めだが、ここで終いだ。

おれと帰れない企業

ついに終電だぁ! おやiPhoneのカレンダーが金曜? オッシャー花金だ!!! (24時間後の話です)。

偶然にも黒づくめのサラリーマンたちの取引現場に出くわしたおれは、キリのいいところで帰っていいよって言われても、自分の作業スピードではどこまでやれば締め切りに間に合うのか分からなかった。目の前で起こる犯罪行為と仕事にかかりきりになってたおれは、背後から近づいてきたもうひとりの終電に気がつかなかった! 「もう11時過ぎてるよ?」と先輩に言われ、目が覚めたアガサ博士とおれたちが会社を出ると、なんと身体が縮んでいた!

そういえば先週マッドマックスの新作を見たんすわ。ツイッターでみんなが褒めてたから。で、確かに面白かった。なんつうか分かりやすくおれの好きなもの、いわゆる男の子ってこういうの好きなんでしょ? って砂漠でボロ布をまとい傷だらけになりながら、巨大トレーラーで圧倒的劣勢を勇気と根性で潜り抜ける英雄みたいな。まあ言っちゃえば北斗の拳ですよね。北斗の拳がマッドマックスをパクったんだけど。いわゆる熱血展開。

で、そういうわかりやすいのだから! 食べ物で言うと分厚いステーキだから! なぜか自分だけを無条件に好きでいてくれる性格も見た目も完璧な女の子みたいなものだから! って作品なら安心だわベイビーって思ってたんだ。

ただなんつうか観終わって思ったのは、おれってパシフィック・リムとかゴジラとか、こう言うのを待ってた! って感じのベタベタな熱血に、フルパワーで乗っかり楽しむことができなくなっていて自分の好みとのブレになんだか寂しいような、信じれる人間がいなくなったような、入って2週間たたない奴は積極的に帰らせてもいいような、そんな気持ちってこれ、最近言ってる愚痴のやーつ!

おれとアニオタ

おれはアニメがそこそこ好きだ。声優の名前を10人ぐらい20人ぐらいは言える。アニメ監督もそれぐらいは言える。でも、ガチガチのアニオタかと言われれば首を横に振らざるを得ない。なぜなら、今のアニメってだいたい1クール(3ヶ月)ないし2クール(6ヶ月)で新作が放送されるんだけど、その度に面白そうなのをいちいちチェックして、録画するかと言われればぜんぜんしてないから。だいたいがして無職の頃でさえしてなかったのだから、いわんや社畜候補生である今をや。

あともうひとつあって、おれはお話の筋が面白くないと、女の子萌え萌えズキューンだったり、男の子燃え燃えズバーンだったりしても最後まで見ることができない。「いやもっと面白くできるでしょ!」と思っちゃう。あるいは最後まで頑張って見てけちょんけちょんに悪口を言いまくるなんていう非生産的なことしかできない。で、そこがおれがガチガチのアニオタになれない、別になりたいわけじゃないけど、理由というか違いなんだなと思った。

ガチガチの人は感受性が豊かだから、アニメのキャラの一挙手一投足にまるで現実の人間を評するがごとく、「あのシーンでああいうリアクションができる虹川桃蜜子ちゃんはすごく性格がいい子だわ……」って感情移入できる。翻っておれはアニメは作り物だっていう前提を崩せないから「虹川があんな目にあう脚本は不自然だよ」となる。

周囲の目はともかく、スヌーピー曰く「人生は配られたカードで勝負するしかない」という格言もある。それに従えば、ガチガチの人が虹川桃蜜子ちゃんが様々な惑星を彷徨って、途中で姫ヶ丘蝶々美ちゃんの犠牲とか王子城白鳥介くんの犠牲とか幼馴染みの月村光沙梨ちゃんの犠牲とかの果てに、ひとつ凪の帆影天女になれたことを「良かったね! 桃蜜子ちゃん!」って喜ぶ方が楽しい人生だろうし、「犠牲払いまくってそれかよ……」って思うよりも充実した趣味になってるのかなって思う。

たぶん他の趣味でも、「これは現実だからああだこうだ言うまい」って方が楽しい気がするし、作る側は「これは現実じゃないか!」って思わせれば良い作品ができると思う。じゃあ、現実にもああだこうだ言う人はどうなるの? っていう疑問は当然出てくるのだろうけど、そういう人に向けて、草薙素子曰く「自分を変えろ。それが嫌なら耳と目を閉じ、口をつぐんで孤独に暮せ」なんていう厳しめな言葉もある。あるんだが、おれはあんまりその言葉が好きではなくて、できれば政治家なり池上彰なりになってもらって、現実を良くして欲しいなって思う。

仏滅ベストアルバム ライナーノーツより

ブラックサバスのコピーバンドとして結成されたロックバンド、仏滅。

インディーズ時代に発売された1stアルバム「赤口」からそのアンビエントかつヘビィな音楽性に注目があつまり、アルバム「仏滅」でメジャーデビュー。喪服姿のメンバーが青木ヶ原撮影されたジャケットに、公式Twitterアカウントや公式ブログに非難の声が寄せられ炎上し、同時に一気に知名度が上がった。炎上騒動は同時期に起きた著名人の薬物騒動によって(仏滅側からは「次のアルバム(「友引」)で着るよりもマシだろ」という発言があったことも付け加えておきたい)、自然消滅。また予告通りのタイトルがつけられた「友引」から、音楽性も退廃的なものから、徐々に哲学的なものへと変化し、ジャケット騒動で名前だけ知っていた層にも受け入れられるなど、ファン層は変化していった。初期に見られた不吉な印象は影を潜め、古参のファンからは「仏滅に色がついた」「仏滅は仏滅までが仏滅」「もう大安に改名しちゃえよ」などの声があがった。

事実、六曜からアルバムタイトルを名づけていた仏滅は大安に向けるかのように、所謂ストーナー、ドゥームといったヘビィでテンポの遅いジャンルだけでなく、プログレ的といえる複雑な曲構成、金管楽器を取り入れた狂騒的な要素を盛り込んだ楽曲を発表していく。2作同時リリースとなった「先負」、「先勝」は今までにないバラエティに富んだジャンルを網羅した意欲作となり、かつての「赤口」や「仏滅」を彷彿とさせる楽曲も収録されたことで、初期のファンからも歓迎されスマッシュヒットを記録。六曜・六部作の完結と銘打たれた「大安」にはファン以外からも注目が集まった。

しかしそんな中、悲劇が起きる。ボーカルと全楽曲の作詞を手がけていた矢場の交通事故死である。「大安」製作中の出来事であった。残されたメンバーは、矢場の葬儀中に仏滅を解散することを決定。矢場の死が自殺ではないかという憶測も流れたため、記者会見を行いそれを否定した。その後、メンバーは音楽業界の表舞台から姿を消したため、奇しくも、デビューと同じ喪服姿が彼らがメディアに残した最後の姿となった。

おれと未来

両国という、ふとっちょカーストの頂点にいる(ブタ→ピザ→デブ→クマ→デカイの順に偉い)方々が、日夜、ぶつかり稽古やてっぽうに汗を流し、かわいがり、八百長に精を出していた由緒ある相撲の聖地に行きました。江戸東京博物館に行くためです。

さて、ここはどんな場所かというと、江戸時代から明治維新、昭和戦前・戦後までの東京の歴史・文化・風俗などが学べる日本史マニア垂涎の博物館です。まあ、ナポリで食べられてるからナポリタンだし、フランス生まれだからフレンチトーストだし、メロンパンはメロン味だし、たぬき蕎麦にはたぬき肉が入ってますから、江戸東京博物館と名のっているなら言わずもがなですね。

で、もう何度も言ってるけど、おれはここしばらく落語を聞いていて、落語ってのは上方もあるけど、たいがい舞台といえば江戸で、奉行といえば大岡忠相で、大家といえば親も同然、店子といえば子も同様なんで、江戸時代には自然と詳しくなる。トリビアもバンバン言える。例えば、よく時代劇で江戸城天守閣がばーん! って出てるけど、実は途中で火事で焼けちゃってるから、時代考証的に矛盾が生じてるとか、江戸時代には平均すると3年に1回は大火という大火事が起こったとか、比叡山に焼き討ちをかけた時に、織田軍の容赦ない攻撃に坊主たちが「ひえー」と恐れをなしたとか、そういう色々なことを知っている。

だからもう、数字を見ると日本史の出来事が思い浮かんじゃうし、鳴かぬなら鳴くよウグイス平安京エイリアンだったりするから、解説を見るまでもなく、あー、仇討ちね。あー、遊郭ね。あー、荻生徂徠ね。ってこうぽんぽん。ぽんぽんうぇいうぇいうぇい、ぽんぽんうぇい、あれこれこないだ言ったやつだ。いやまあとにかくわかる。見える。わたしにも敵が見える。

でもこれが世界史となるとわかんないんだよね。落語にナポレオン出てこないし、イブン・バットゥーダ出てこないし、カノッサの屈辱を面白おかしく語った『法王怖い』を桂枝雀が一席演ってくれたりしてないから。だから例えば1786年、老中・田沼意次が解任されたその頃、ヨーロッパでは何が? みたいなことはわからない。そりゃ、さっとスマートフォンを出してスラスラって調べればわかるよ? フレンチトーストの由来が本当はアメリカだっていうのもわかる。でもこの「さっと出してスラスラ」っていうのが、現代テクノロジーで如何に短縮された結果といえども、「見える」とは違う。ピピピピ……1786年はモーツァルトの「フィガロの結婚」が初めて上演された年です。って疑問に思った瞬間に教えて欲しいんだよね。

iPhoneの3GSが出た頃は、この「見える」未来が、端的にいうと「便利」がやってきそうなワクワク感があったんだけど、なんというか最近は瞬間最大風速を如何に出すか? みたいな方向に全力を出してる気がして、もうみんな知識的便利は望んでないのかなー、あるいは便利はお金にならないから、シェアシェアシェア、YouTubeYouTuberYouTubest、ってことになってるのかなー。でも知識的便利を発展させてないその割に、豊富なインプットに裏付けられた批評は、なぜか人間性や人格が優れてないと聞いても貰えない、つーか、お払い箱にされてるきらいはある。などと邪推あるいは愚考してた。そんなことだから仕事が決まんねーのかな。あはは。って笑い事ではない。ここで言うべきは、とほほ。

おれとマキオ1

マキオはおれと同じ人間設計学部の1年生で、おれのような人種を下に見ていそうな派手で華やかな奴だった。もちろん、そんな人間には近寄らない。なんだったら先回りして、こちらから嫌いとまで公言する。特に自分が何か言われたわけではないのだけれど、攻撃は最大の防御。やれる前にやれ。戦争は速さだ。などと卑屈と屈折のコンクリートでできたベルリンの壁を作り、しばらく挨拶すらしなかった。が、夏休みにサークル合宿で行われたスタジオライブでおれのギターに貼ってあったグミのステッカーにマキオが反応し、あっさり壁は崩壊した。
そのステッカーはデンマークハリボー社が出しているサルミアッキ味のグミのもので、おれはそれが特に気に入っていた。普通のコンビニでは売っていないので通販を使って手に入れ、まるで喫煙者のタバコのように外出時も常に一袋は持ち歩いていた。しかしサルミアッキは世間ではゴムの味、世界で最もまずいお菓子と謗られ、物珍しさから欲しがる友人にあげるも、口に入れた次の瞬間、「こいつどんな味覚してるんだ……」と畏怖、驚愕ならまだしも、よくて幻滅、甚だしくは絶縁などいう憂き目にあう悲しきスイーツであった。スイーツというほど甘くもないのだが。

血は水よりも濃い

 占い。占いが割りと好きである。というとお前らはあれだろ、AだのBだの言い出すだろ。部屋がジャングル並みに散らかってたことでお馴染みであったおれの高校時代の友人が「O型だから大雑把なんだ」ってエクスキューズをミーにしてたことがあってよ。そいつが献血したら「おれ、A型だったわ……」的なことがあったけど、お前らはきっとおれと同じ高校じゃないヤツのほうが多いっていうか、同じ高校でもそのエピソードをしってる奴はおれとそいつとあと一人ぐらいで、その秘密を知っているお前は何者だ! ひっ捕らえろ!
 ひっ捕らえない。令状がないからね。にしても血液型占いなんて本当に信じない。オーラの泉並に信じない。サンタクロースが女の子なら信じる。それはミニ・スカート。生きているということ。いま生きているということ。by谷川俊太郎っていうか北半球でなぜ空寒いミニ・スカートなのかの理由は「生きる」ということだからか! ほー。って、なにを独りごちている。みんながみんな、谷川俊太郎の「生きる」をいう詩を知っていて、女の子のサンタコスはミニスカだよねっ! というフェティシズム持ち主という前提で話すのはやめていただけないか! 迷惑だ! 占いの話をしたいのだ。
 占い。血液型占い。おれはそれが大嫌い。はい、校長先生が本題に入るまで500文字掛かりましたよ。っていうのはA、B、O、AB。その4パターンで人間を分けようって魂胆が気に食わない。オカルト(秘学・神秘的、またはそのもの。超自然的なもの。ラテン語: occulere の過去分詞 occulta(隠されたもの)を語源とする言葉。また賢くなったね)か!
 まあ、じゃあ譲歩する。校長先生が本題に入るまで原稿用紙1枚以上かかったし、譲歩する。だが細かくいってもAO、AA、BO、BB、AB、OOの6パターンで人間を分けようって魂胆が気に食わない。ややや、おれは器が「おおいぬ座VY」並に大きいから更に譲歩して、極々細かく言えばA1、Aint、A2、A3、Ax、Am、Ael、Aend、B1、Bint、B2、B3、Bx、Bm、Bel、Bend、シスAB、トランスAB、A1B、A1Bx、O、ボンベイの22種類で人間を分けようって魂胆が気に食わな……まあそれぐらいするなら許す。苦しゅうない。でもダメだ! お前らはダメだ! 全然全然ダメだ! ABO型の血液判定で性格まで言い当てようとする腹積もりだからダメだ。だいたいこの26年生きてきて一発で血液型を当てられたことがない。確率4分の1を26年間外す、外され続けるっていうのはもう判定として意味をなしてない。逆に言えばあれか? おれみたいな性格の人間はこの世に居ないってことか? おれは人間じゃないってことか? じゃあこの文章は誰が打ってるんだ? プログラムか? え? なに? オカルト(もう皆さんはオカルトの意味がわかりますよね)? これで校長先生のお話を終わります。