たしか電脳山荘殺人事件

覚えてる限りだと7〜8年ぶりぐらいにコンタクトにした。なんでかっつーとここ上谷の治安は良さそうで最悪で、集団ストーカーが毎日違うメンツでおれの周りをうろついているからだ。奴らはスーパーでおれと同じものを買い、レストランでおれと違うものを頼み、コンビニでTポイントカードを提示させず、道端でポケットティッシュをおれにだけ渡さない。そんな奴らが周りにいる状況で、メガネをかけていたらどうなりますか? ええ? どうなるってんだよ!! 言ってみろ!! おれの名前を言ってみろ!!! 君の名は!! いいから言えー!!


メガネだと見た目を謗られやすくなる。ちょっとメガネくん? といわれたらガリ勉扱いされてるし、おいそこのメガネ! といわれたら財布貸せと恐喝され、暖かいスープは目の前を曇らせ視界がゼロの状態から胸にロンギヌスの槍で風穴をあけられる。でもコンタクトならメガネくんとは呼ばれないし、そこのメガネ!とも呼ばれないし、クラムチャウダー飲んでコーンポタージュ飲んでも、ラーメン食べても豚汁食べても視界はオールクリア。あと昔、学食で働いてた時におばちゃんに「あんた、メガネない方がいい男じゃない」と呼ばれたので、裸眼の写真を企業に送ったらあるいは書類が少しでも通りやすいかななどと愚考したわけだ。


そういえば裸眼という言葉を聞くといつも思い出すのが、金田一少年の事件簿の電脳山荘殺人事件。金田一少年曰く、裸眼って言葉はあんまり一般の人は使わないよね? だからお前あやしいよね? だよね、殺したよね? ね? 殺したね? そうね? よーし逮捕。よーし死刑。と無事、事件を解決した鮮やかな推理はおれに探偵への道を歩ませるに充分すぎるほどの影響を与えた。のちにそんなおれをモデルにした漫画がある週刊少年誌で始まったのだが、真実はいつも一つ。全部嘘でした。グッバイ。