27歳の誕生日のこと

 27歳になってしまいました。27歳ということはあれです。ロックスターが死ぬ歳です。まあ、なんといういかさない歳でしょう。音楽やってるやつは暗くて嫌いだよ!

 で、そんないかさない27歳独身男性であるところのおれが、おれの存在が、世間様の役に立つことはあまりない。あまりにない。だったら、いかしてる27歳独身男性ならばどうか? というとこれもまた考えもので、やっぱり時代はいかしてる17歳女子高生ではないかと思った。

 そう。全時代、あらゆる世界線においていかしてる17歳女子高生は結構価値があると思うのです。なんたっていかしてるやつです。それはもう、すらっとした脚であり、胸は健康的かつ母性的なカーブを描いていて、五体は元気ハツラツでポカリスエットのオファーがいつ来ても大丈夫! ていうかむしろまだ来ないの? 間に合わなくなっても知らんぞ! とツイッターで話題騒然。ニコニコ動画で再生回数ナンバーワン。フェイスブックは常にいいね! 何? 想像するにはビジュアルの情報が足りないだと。困ったやつだな。じゃあ、あれだ。最近おれの中で話題の能年玲奈ちゃんを百倍可愛くした奴だと思え。

 で、そんな100倍能年ちゃんになったら、あなたがなったらどうしますか。あれですか。個人ブログ作って自画撮りしてブスだのデブだのちょっとした自虐コメントをつけてプロフィールにアップしたり、その日食べたランチとかその日ぶっぱなしたランチャーの写真ををあげたりするのですか。かーっ、レベルが低い! そんなことだから某国になめられるのだ。100倍能年ちゃんだぞ? 100倍なんだぞ。

 おれだったらあれだね。いかさない27歳独身男性、に限らず32……20……14歳のいかさない人間たちが好きそうなものを例えばAMのラジオを、ムカデ人間を、超能力学園Zを、福満しげゆきを「最近、これが好きです……」とかいってテンション低めの文章でブログにあげるね。まあ世の中でブイブイいわせるのはブログとツイッターだからな。つまりあれだね。100倍能年ちゃんみたいな太陽に愛されたルックスの人間でありながら、なんの因果かひねたものばかり好きになって、すっかり根は日陰者。でもたまに夏とか、テンションあがって白いワンピースとか来て、浜辺をダッシュする、そういうキャラをおしていく。
 これはウケる。お姉ちゃんが勝手に応募したオーディションのせいでテレビにも出ちゃって、だけど深夜ラジオとか好きだったから「意外と喋れるぞこの娘!」とプロデューサーが目をつけて、スターダストやらオスカーの末席にだけど座ることになる。当然、テレビドラマも出る。映画ばっかり見てたから演技も悪くない。その人気は全盛期のしょこたんのそれを超えた。カルチャー、サブカルチャーの女神になる。

 で、そろそろ20歳とかいうときに中華街で遊んでエグザイルの家にお泊りデートしたところをフライデイされる。フライデイ・チャイナタウンされる。するとどうだい、世間様の、世間のいかさない人間のがっかりした顔! あっはっは!

 などという全く生産性のないことを考えていたら誕生日が終わった。実にいかさない。