新商品

 あいも変わらず金がない。なぜなら、働いていないからで、だからない。単純明快。シンプル・イズ・ベスト。しかし、お金はないが知恵はある。これでも大学を卒業しているのです。なんなら専門学校も出ているのです。なので新進的なアイディアで一獲千金を狙う。狙うよ。 

 つうわけでそのアイディア。まあいくら知恵があっても、わたしはアインシュタインエジソンとノーベルを足して3で割らなかったような天才ではない。よって、鉛筆のお尻に消しゴムをつけて大ヒットみたいな、A+B=C方式で新しい商品を生み出すのが得策。さすがわたしは身の丈を知っている。「自分が通れる大きさの穴を知っているものは賢者である」アメリカのハードボイルド作家、ジャック・レイ・ボウシャもそういっている。こんなに知恵があるわたしならばすぐに新進的なアイディアが湧き出すはずだ。一獲千金も夢ではない。いまから皆さんは欲しいものリストの製作に勤しむがよい。 

 で、そんな識者のわたしはうどんが最近殊更に好きである。そこで、はたと思い付いた。それは、きつねきつねうどん。従来のものはきつねとは名ばかりで豆腐をあげたものが入っているのみだった。しかし、わたしが開発したきつねきつねうどんは北海道産の狐を贅沢に使用。出汁から狐を100%ふんだんに盛り込んでいる。そこに古来からのお揚げとのハーモニー。これに新しいもの好きの若者が食いつかないはずがない。 

 まだ寄生虫エコノキックスの問題や、味がどうなるか不明などという問題点があるにはあるが、このアイディアを生かせばたぬきたぬきうどん、或いはきつねたぬきうどん、たぬききつねうどん、更に麺類を飛び越えウグイスウグイスパン、メロンメロンパンなどの生産が可能だ。 

 それで今、かっぱかっぱ巻きというのを考え、まずは河童の研究をしましょう。とTSUTAYA石井竜也の河童を借りようとしたらレンタル中だった。さては誰かがわたしのアイディアを盗用するつもりなのかもしれない。河童だけにかっぱらいってか。ふざけた奴め。やつらに先を越される前に、社長、はやく工場のフル稼働を!